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しょーしょーしょが書画会

しょーしょーしょが書画会
此の書画会といふものは維新前までは――維新後も折々――盛んに文人社会で行はれたものであるが、現今の画会とは稍や趣きが異なって居るから、其の概略を云へば斯うである。先づ会主は会日会場、それに補助とか後見とかいふ名で書画大家の名前を列記した摺物を製し、之に自筆の扇面などを添へ、自身又は門人等と手分けして知己の人々に配り、当日の来会を請ふのである。而して之を受けた以上は当日出席せぬ人でも、返礼として金一分(廿五銭)を贈るのが慣例で、当日出席する人は金二分(五十銭)以上の目録を持参して会主に贈る事となって居た。そこで二分の客には会主から弁当を出すだけであるが、二分以上の上客には別に膳札を配り之と引換へに刺身吸物に酒一本を添へたのを呈するのである、その来客も亦並んで箸を取る時唯だ弁当だけでは幅が利かぬといふ虚栄心から、二分以上を奮発する人が多いので、随って会主には割のよい収入となるのである、のみならず此会を祝する為めに清酒一駄などと書いた絵ビラと共に現金を贈って来る顧客もあり、席上で揮毫する書家画家も会主との交際上、多くは義務的に筆を執るものゆゑ、旨く当れば支出少くして収入多く、名を弘めると共に懐を肥やすといふ一挙両得の策だから、之が流行したのも自然の勢ひで、其頃の扇面亭や扇明亭はこの書画会の周旋が殆ど本業となって居たのである。
無腸書画会

▼7.27 イラストサイトの「TINAMI」がサイトをリニューアルするも、大入りな感じでサーバー処理が追いつかずに各ページが重々なのサ。
■こがのかい(古画怪)――ふるい絵画が霊力をもったもの。
■ふでおばけ(筆おばけ)――古くなった毛筆のおばけ。

●書画会かいせつ――野崎左文『私の見た明治文壇』より(春陽堂 1927年)

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2011.07.28 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 談話

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